八方美人とプリンセス
私は基本的に人から嫌われることを極端に怖がる。
特に同性から嫌われることはもっと嫌だ。
さしずめ“関係依存症”という病名が付きそうだ。
職場の同僚がひそひそ話をしているだけで「(自分の悪口ではないか)」とか本当に思ってしまう。
だから基本的に八方美人でいる。
自分から積極的に笑顔を見せ、大げさに楽しそうに振る舞ってみせる。
この手段に気づき、実行出来たのは高校生のときだった。
行動が変わればなんとやらと言うが、現に高校入学時と卒業時の写真はパッと見だけでも明るく変わっている。
上辺だけのつきあいであればそれで十分なのだが、これが「自己嫌悪」に陥る原因にもなる。
「なんて心の醜い人間なんだ」
「上辺だけで(勿論自分の感情も入っているから全てそうではないが)答えてる自分は・・・」
それでも上辺の付き合いから動けないでいる。
なぜなら最低限のコミュニケーションを取れさえすれば良くも悪くも物事は進むからだ。
たまに啓発本で「怒りは発散させなければならない」「良い人面はやめなさい」とか不要な人間関係を絶つことで自分を楽にする方法を教える本がある。
私にはそれが出来ない。
それまで築いてきたものをまた解体したくない。
罪悪感に押しつぶされているのにまだ手放せない。
それが出来る後輩がいる。
いつも堂々として、不要なものは切り捨て、結果、二十代にして立派に職場のプリンセスだ。
常に男を二・三人は従え、男の上司に好かれ、年上のマダムからは嫌われ
本人は元直属の上司ですら「所詮あそこで終わる男」とばっさり切り捨てる。
私はそれを見て逆にすがすがしいし、彼女のことはむしろ好きだ。
私には到底出来ないし、多分これからも難しいと思う。
上辺だけの“楽”を振りまく八方美人とふるいにかけた“愛”を貰うプリンセス。
・・・比べるだけ無駄な気がしてきた。

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