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言いたいことはすぐ言う

口が過ぎれば足を取られます。基本的にはWord2ページ程度

へそまがり高卒の証明の仕方

鹿児島ではまだ桜が咲かない。
・・・・そんな鹿児島の貧相な桜を横目に『ふふ~ん』と得意げに桜が咲き誇っていた東京のど真ん中。

満開の桜の下、私は久々のスーツに身を包んで入学式に出席した。

 

年功序列と学歴主義の職場。
「(よくまぁこいつに妻子供がいるもんだ)」
とか
「(“出来る人間だから”っていう自信は一体どこから来るんですか?)」
勤め人としてたった4年でそう思う人に何人か会ってきた。

自分は世間知らずだし、まだ20代前半ということもあり、経験不足と言えばそれまでだ。
『高卒で良く頑張ってるよ。』
そんな言葉も何回も言われた。

 

・・・だったら大卒だったら頑張らず仕事が出来るのか?
っていうか大学って一体どういうところなんだ?

生憎、親戚一同に大学卒業がほとんどおらず、大学という選択肢は元々無く
「(就活失敗したら大学行くか・・・)」的な補欠の選択肢として大学を視野に入れていた。

運よく就職が成功して、旅行に趣味。色んなことに手を出して、楽しかった。
4年目、一兵卒として少しずつ認められ、平日も少し余裕が出来てきたので久々に図書館通いを始めた。

 

・・・・活字が読めない

 

小学校・中学校は本の虫だった。
高校時代は部活に励んでいた。
就職してから業務に必要な文章以外を見てなかった。

今まで読んだ本の中身や題名すら思い出せない。
驚きよりも僕の活字読解の衰えに絶望した。

「(いつから“自分が本を読む力を持ち続けている”と錯覚した?)」
これじゃあ自分が心の底でけなしていた人たちと一緒じゃないか。

「やばい・・・衰えてる・・・」
元々学校嫌いではあったが、勉強嫌いではなかった。

「大学に行こうかな・・・」
通信制なら仕事でも勉強できる。
・・・でも就職してるから一応肩書きは付いてるし基盤は出来てるよね。
別に今さら行かなくても良くない?

 

『僕ねぇ学歴社会って凄い嫌いなんですよ。』
いつか高卒で一地位を築いた人が言っていた。

だけどその人は“大学に行ってない”じゃないか
じゃあ私は“勤労学生”になって大学を出てやる。

高卒→社会人→勤労学生
そこから本当に学歴社会がダメかどうか自分で証明しようじゃないか。

「自分、大学に行きたいです。」
職場に申請して、親に金を工面して貰った。
仕事以外の勉強から5年も離れた私がだ。

 

『金の援助も休暇制度も行いません。職務に支障のない範囲で行う事。』
職場から渡された体裁を整えた文章と共に認められた入学。

なんか自分恰好良くない?
勤労学生で体裁上は職場の援助は無し。向かい風で頑張る俺恰好良い~♪
(それでも年度初めの忙しい時期に入学式は有給で休ませてくれた。)

『一生に一度でしょ。入学式行ってきなよ。』
上司の言葉に最敬礼して参加した入学式。

「無事、入学式終わりました。ありがとうございます。」
会場から一報を入れると
『声が元気だね。気を付けて帰っておいで。』

なんだ、全然向かい風なんかじゃないじゃん。
風が吹くならそれを利用して進めば良い。

そんな心地よい風に吹かれながら日帰りで鹿児島に戻る。

 

翌日
「女子大生社員になりました!」
『おう、分かったから机片付けろよ。』
山積みの書類と溜まったメールに目を通す。
・・・うん。これはこれ、それはそれだ。

 

例えば貰ったテキストの“算数”が分かるまいが、問題文が読めまいがこれからなんだから。

どうやら高校までの勉強をやり直す必要がありそうだ・・・
と思いながら必死にテキストを見る日々が始まる。
桜はようやく7分咲きと言ったところか・・